ローンチ、ロールアウト、リリースの意味と違い

数年前から「****をローンチしました」というのをよく見るようになった。

同じく「****をロールアウトしました」「****をロールアウト中」というのも見かける。

昔は「****をリリース」とか「****カットオーバー(C/O)」とか。

これらの違いってなんだろう?どういう風に使っているんだろう?と思い、色々なWEBサービスを眺めていて、なんとなく自分の中で整理してみた図が以下です。

「新機能や新サービスが提供されて使えるようになりました」を意図して使われているようだけど、おそらく正しい解釈としては、ロールアウト(Roll out)があり、そこからローリングアウト(Rolling out)され、ローンチ(Launched)になる、という感じな気がする。

なぜこういう若干複雑な言葉になるかというと、クラウドベースのサービスやSaaSの世界では、リージョンや言語環境など、全世界・全環境同時に展開が出来ないからではないかと思う。単純に反映する時間差もあるだろうし、各国の法制度や通信条件などもあるだろうし、ユーザとの契約条件もあるだろうし、とにかく、現在のサービスは新しい機能がじわじわと使えるユーザが広がっていくようになっている。

下記のようにMicrosoft365のロードマップもローリングアウトとローンチを分けている。

「うちのテナントでも、Teamsの****が使えるようになった!」「うちはまだだ!」っていうツイートを見かけるのは、まさにこのローリングアウト。

だから、みんなが共通で新機能が使えるようになった(つまり展開が終わった)というのがローンチといえると思う。
(ちなみにMicrosoft365のロードマップのページ、日本語表記だと、左から「開発中」「展開中」「提供中」となる)

そして従来の「リリース」や「カットオーバー」はローンチと同意。
従来は、世界がどうとかでなく、社内とか国内とかが利用範囲で、前提になっているホスティングサーバも1ヵ所ないしは、東西の2ヵ所とかでリリース作業に誤差1、2時間とかだっただろうから、ロールアウト、ローリングアウトという概念がなくて、いきなり全ユーザに提供が開始できたから。おそらく「サービスイン」も同意だろうな、と思う。

だから、規模の小さめの国内ベンチャー企業が「新サービスがローンチされました」ていうのもおそらく間違っていない。AWSやAzureの東日本リージョンだけで、国内顧客だけにしか提供していないサービスなら、結果として一斉に利用開始になるから。


SIer勤務ということもあって、ローンチという言葉を使うことはないけど、たまにサービス開発している部署で使ったりするのを見かけるが、それっぽい感じで使っているんじゃないのかな?て思ったりもするけど、さてどうだろうか。突っ込まれることもないだろうから良いと言えば良いけど、正しく使っている企業に属したときに恥ずかしい思いはしないためにも、正しく意味を理解しておきたいものだな、と。

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