IT部門(情シス)に必要なスキルは色々と言われる。ジェネラリストなのかスペシャリストなのか。むしろ今は、ジェネラリストに専門性を加えたT型(シングル・メジャー)や専門性を2つもったΠ型(ダブル・メジャー)とか言われたりします。
そこまで高い山を見なくても、エンジニアに必須なスキル、いや社会人に必須なスキルとしてよく言われるのが、
- 英語の知識
- 会計の知識
だったりしますが、英語コミュニケーションがさくさくできてTOEICも900はあって、会計もとりあえず簿記2級は持っていて、なんてエンジニア滅多にいません。いますけど、滅多にいません。だいたい経営層にも資格要件を満たしている人はあまりいません。ただ、感覚的にできる人は多いですが。
そういうことを考えていくと、IT部門に本当に必要なスキルは何か?と考えるわけですが、私が考えるスキルは以下の2つになると思っています。
- 経営(特に中期計画)を目的と進め方含め理解する力
- 伝える力
ITを理解している経営層は多くはありません。だから、突拍子もないリクエストが飛んできたりします。リクエストはなかったとしても、理解が出来ないから、何故こんなにコストがかかるのか、と思われがちです。「今の時代、ITは不可欠」とは皆口をそろえて言いますが、コストや技術になると別物です。理解出来ないから、自分たちの物差しをベースにする。結果よく分からないから「コスト削減」の対象になる。
でも、これは、IT部門にも責任があります。
IT部門は、逆に技術に目を向けがちです。しかし、本来は経営に目を向けるべきなのではないかと思っています。経営層が今から必死にITを学ぶことは難しいし、そもそも時間の無駄です。それをするロールではないです。だからこそ、経営が考えた中期の計画に即したITを提示し、理解させていく必要がありますし、それこそがIT部門の役割です。
つまりIT部門に必要なスキルは、経営がやろうとしていることを目的と進め方含め理解すること、そして、ITという専門性を翻訳し、そこに添わせることが必要になります。経営が遠い存在だと思っていたら大間違いです。少なくとも、企業の決算情報、中期計画、もっと言えばMISSIONなど、目に見える情報は多くありますし、担当役員経由で情報を取りに行くことはいくらでも出来るはずです。していないで、見えないのは、見えないのではなく見ていないだけです。
そして、これらを理解しても、伝える力が必要になります。伝える力は、経営向けだけではなく、それらの実行時のキーマンになる現場部門に対してもとなるため、ここに伝達力や交渉力が必要になります。
この2つは即効性のある身に付け方、学び方、正解はありません。しかし、日々意識することで大きく変わってくることでもあります。
今必要なタイプを表現するなら、やはりT型やΠ型かもしれません。ただ、その専門性が技術ではなく、理解する力と伝える力なのではないでしょうか。
コメント